ミツマタ(上方の植物) ミツマタはなかなか趣に富んだ春の花木です。 新葉が芽吹く前の枝先に花だけが開花する姿は、冬が終わり待ちわびた春がきたことを喜んでいるようにも見えます。うつむくように下を向いて咲く花には芳香があり、小さな花が集まって半球形をつくっています。 この小さな花には花弁はなく、花弁のように見えるのは筒状の萼の先端が4つに裂けて反り返ったものです。枝は3つに分枝し、これが「ミツマタ」の名前の由来となっています。強い繊維質の樹皮は、強度の高い良質の紙の原料として有名で、紙幣などにも使われています。 木苺(下方の植物) バラ科キイチゴ属の総称。落葉または常緑低木が多いが、草木性のもの,つる性のものなど変化に富みます。茎や葉にとげのあることが多く,葉は単葉,3出葉または羽状複葉となります。花は5弁,後に多数の分果からなる果実を結び食べられるものが多いです。 ナワシロイチゴなど日本には約35種が分布します。山野に多いモミジイチゴは,葉がモミジのように掌状に裂けます。春,短い小枝の先に径約2cmの白色花が1個,下向きに半開し,後に黄色の果実を結ぶ。 暖地の海岸地方にはえるカジイチゴは,ときに果実を利用するために栽培されます。ほとんどとげがなく,径3〜4cmで白色の花が数個,上を向いて咲きます。果実は赤く熟します。クサイチゴはやぶなどにはえ,軟毛があり,茎は低いです。葉は3個の小葉に分かれ,大きな白色5弁花が上を向いて咲きます。果実は赤く熟します。観賞用のトキンイバラもキイチゴの一種です
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